グループ会社のGHG排出量算定をより信頼性の高いものにするには?第三者検証に耐えうるデータ管理とは?
グループ会社と事業を行う企業は、自社だけでなくグループ内のGHG排出量を算定し、全体像を把握することが重要です。また、算定した情報の有価証券報告書等による開示、そして第三者検証を受けることによって、開示情報の信憑性が保証されます。
開示情報の信憑性を提示するメリット
信憑性の高い情報を開示することは、投資家や顧客といったステークホルダーの評価基準となり、支持の獲得や中長期的な事業の安定に繋がります。
ここでは、グループ会社を含むGHG排出量の算定と開示、第三者検証に必要なポイントについて解説します。
GHG排出量の算定プロセス
グループ会社を含むGHG排出量の算定は、以下のプロセスに従って行われます。
1.対象範囲の特定
親会社は、どの子会社や関連会社がGHG排出量の算定対象となるかを決定します。通常、グループ全体の構造や影響力に基づいて行われます。
2.データの収集
親会社がGHG排出量を算定する場合、グループ内の子会社もそれぞれ自身の排出量を算定し、そのデータを収集する必要があります。この際、親会社と子会社で算定のルールを統一しなければなりません。例えば、GHG排出量は燃料の消費量や電力使用量といった実際の使用量と、排出係数を掛け合わせることで算出できますが、ここで用いられる排出係数の統一などが必要となります。
3.データの統合
収集したデータを統合し、親会社全体としてのGHG排出量を算定します。この際、各子会社のデータが一貫性を持つように標準化し、同じ単位で表記されるように注意します。
算定は、一般的に以下のスコープに基づき行われます。
・Scope 1
自社の事業活動からの直接的なGHG排出
・Scope 2
他社から供給されるエネルギーの消費を伴う事業活動による、間接的なGHG排出
・Scope 3
Scope 1、Scope 2以外の事業者のサプライチェーンにおける事業活動によるGHG排出
4.データの開示
算定されたGHG排出量を、有価証券報告書にて開示します。
5.データの検証
第三者検証機関によるデータの検証を行います。これにより、算定されたGHG排出量の正確性と信頼性が保証されます。
第三者検証に必要な注意点とは
第三者検証を実施する際には、以下の点に注意する必要があります。*1
・データの収集方法が一貫しているか
適用されている排出係数の出典や有効数字の取扱にバラつきがある、算定方法の標準化がされていないなど
・収集データに正確性があるか
誤入力や桁の違い、入力の漏れなど
まとめ
グループ会社を含むGHG排出量を算定することにより、どのカテゴリーにおいて排出量が多いのかが可視化され、GHG排出量の削減に有効活用することが出来ます。
また、第三者検証を受けることは、グループ内での算定方法の透明化が図られるだけでなく、ステークホルダーへデータの信頼性を保証することに繋がります。
これらのメリットにより、GHG排出量の算定と情報の有価証券報告書による開示、そして第三者検証が推奨されています。しかし、そのためにはグループ内のデータに統一性を持たせ、一括管理する必要があります。
ゼロボードでは、企業グループ内においてGHG(温室効果ガス)排出量に関するアカウント権限設定、算定ルールの統一、データ収集を効率的に行う「連結炭素会計機能」を提供しております。GHG排出量算定でお困りの方はゼロボードへお問い合わせください。
<参照元>
*1:環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/dms_trends/seminar02_09.pdf
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/QandA_202203.pdf
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/com01/mat03.pdf