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エコデザイン規則の動向について①~適用開始時期と開示要件:今後の規制への備え~

目次

株式会社ゼロボード
営業本部 ソリューション開発室室長 野底 琢

2024年7月に施行された「エコデザイン規則*1)(ESPR)」は、製品の環境負荷を削減し、持続可能な製品の自由な流通を確保するための重要な規制です。本規則により、アパレルや化粧品などの消費者向け製品も、CO2排出量やライフサイクル全体にわたる環境影響を開示する義務を負う可能性があります。このコラムでは、規則の概要から開示項目、対象製品別の適用時期まで詳しく解説します。


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1. エコデザイン規則*1)の概要

2024年7月18日発効のエコデザイン規則*1)は、環境への影響を最小化するための製品の持続可能性向上を目指し、EU市場での製品の流通に新たなルールを設定しています。本規則はほぼすべての製品に適用され、違反には罰則が科せられるため、企業は新しい要求事項に対応する準備が必要です。

2. エコデザイン規則*1)で求められる開示項目

エコデザイン規則*¹)は、製品のカーボンフットプリント(CFP)など、ライフサイクル全体にわたる環境影響の評価と開示を要求します。LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法に基づく環境データの開示が義務化され、企業は自社製品の環境評価を適切に行う必要があります。

3. 製品ごとに想定される開示項目と改善要件

欧州共同研究センター(通称、JRC)によるレポートについて、製品ごとに要求可能性のある開示項目や改善要件の内容を紹介しています。

4. エコデザイン規則*1)に関する要件のスケジュール

エコデザイン規則*1)の対象製品のうち、委任法策定の優先度が高い製品群を紹介すると共に、それぞれの製品群に関する委任法公表予定時期のスケジュールをまとめています。今後の計画を具体的に把握しておくことが重要です。

5. 終わりに

エコデザイン規則*1)は全体的な枠組みを提示したものであり、各製品に対する具体的な要件は今後発表される委任法で確定します。しかし、現在から準備を進めておくことが極めて重要です。次回のコラムでは、CFPの算定方法についてさらに詳しく解説します。


*1)出典元:European Union:EUR-Lex 「エコデザイン規則」:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32024R1781&qid=1719580391746

*2)出典元:JRCによる「Ecodesign for Sustainable Products Regulation: Study on new product priorities」:https://publications.jrc.ec.europa.eu/repository/handle/JRC138903 

*3)出典元:「CIRPASS」の運営事務局による「DPP System Roadmap V2.0 May 2024」:https://cirpassproject.eu/wp-content/uploads/2024/05/D3.4_DPP_System_Roadmap_V2.pdf 

*4)European Commission Product Bureau「欧州委員会の各種研究会のHP」:https://susproc.jrc.ec.europa.eu/product-bureau/product-groups 

  • 記事を書いた人
    野底 琢(営業本部ソリューション開発室室長)

    三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社で、業務・ITに関するコンサルティングサービスを経て、2021年にゼロボード社の立ち上げに参画。業務の傍らで横浜国立大学大学院環境情報学府に入学し、LCA環境評価手法を学習・研究。環境情報学を背景に、ゼロボード社では事業開発担当兼コンサルタントとして、経産省・環境省による”CFPガイドライン”の実証事業のマネジメント、DADC・ABtCと連携したOuranos Ecosystemのアプリ要件(CFP算定・連携)の開発事業のリーダーを担当。直近では、欧州電池規則におけるCFP・DD対応支援やCBAM対応に関するコンサルティングサービスを展開。CFPの算定経験は50商品以上に渡る(内、自動車・自動車部品関連は20商品)