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欧州電池規則における人権・環境デューディリジェンス②欧州市場での電池事業者に求められるDD要件とは?

目次

株式会社ゼロボード
営業本部 ソリューション開発室室長 野底 琢

2025年8月18日に施行される欧州電池規則の人権・環境デューディリジェンス(DD)要件に対応するため、企業が取るべき実践的なステップについて詳述しています。規則に基づくリスク評価、サプライチェーンの透明性確保、必要なデータ連携の方法を解説。特に、DD報告書作成に必要な情報収集の進め方、サプライヤーとの連携方法、トレードシークレットの保護についても触れています。これからの事業運営に不可欠なDD対応の詳細な解釈を、専門的な視点でご紹介します。

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以下はダウンロードしてご覧いただけるコラムの要約です。

1. DDで適用対象となる事業者について

本章では、欧州電池規則の第7章に基づき、どの事業者がデューデリジェンス(DD)の適用対象となるかについて解説します。規則では、前会計年度の純売上高が4,000万ユーロ以上の企業が対象となり、バッテリー製品のカテゴリによる適用範囲も説明。特に、全てのバッテリーカテゴリにDDが求められる2025年8月18日施行の要件に向けて、対象事業者の要件がどのように定義されているかを解説します。

2. DDで報告対象となるサプライチェーンとリスク事項について

この章では、欧州電池規則第7章に従い、デューデリジェンス報告が求められるサプライチェーンとそのリスク事項を詳細に説明します。規則に基づき、バッテリー製造に関連する原材料と、それに伴う社会的および環境的リスクの特定が義務付けられています。サプライチェーンの透明性を確保するための必要なシステムと、その運用方法についても触れています。

3. 人権・環境DDの進め方

本章では、企業が人権・環境デューデリジェンスを実施するためのステップを紹介します。OECDのガイダンスや日本の法務省発行の『ビジネスと人権への対応』を参考にし、リスクアセスメントの進め方を詳細に解説。特に、サプライチェーンのリスク調査の段階における「イニシャル調査」と「詳細調査」の違いや、それぞれに必要な情報収集方法について説明しています。

4. サプライチェーン間で連携必須な情報と連携推奨される情報

この章では、デューデリジェンスの過程において、サプライチェーン内の事業者間でどの情報を必須として共有すべきか、またどの情報が推奨されるかについて整理しています。欧州電池規則に基づき、リスク評価に必要な情報項目や、サプライヤーから提供されるべき情報の詳細を示します。特に、イニシャル調査と詳細調査の段階で異なる情報が求められる点を明確にしています。

5. ありうる事業者間での情報連携について

本章では、サプライチェーン内での情報連携の方法に焦点を当てています。デューデリジェンスにおいては、サプライヤーが自社で実施したDD報告書をどのように経済事業者と共有するのか、また、最上流のサプライヤーまで遡って情報連携を行うための体制について解説。さらに、サプライヤーが提供すべき情報や、その情報をどのように活用するかの具体的な方法を示します。

6. データ連携におけるトレードシークレットの担保について

この章では、サプライヤーから提供されるデータに含まれる可能性があるトレードシークレットを保護しながら、データ連携を行う方法について解説しています。情報の透明性を確保するためには、どのような情報が必須であり、どの情報が機密性を保つために抽象化や仮名化されるべきかを説明。また、第三者検証機関による情報確認の役割についても触れています。

7. 終わりに

最終章では、欧州電池規則に基づく人権・環境デューデリジェンスの対応期限が迫る中で、企業が直面する課題とその解決策をまとめています。規則の施行に向けて企業がどのような準備を進めるべきか、また弊社が提供するコンサルティングサービスや連携基盤についても紹介。特に、サプライヤーアンケート機能や自己評価機能(SAQ)の開発に関する最新情報も提供しています。




*1)出典元:欧州電池規則:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32023R1542

*2)出典元:OECDガイダンス:https://mneguidelines.oecd.org/OECD-Due-Diligence-Guidance-for-RBC-Japanese.pdf

*3)出典元:「ビジネスと人権」への対応 詳細版:https://www.moj.go.jp/content/001417137.pdf 

*4)出典元:「Published initiatives」のHP:https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives_en?text=battery

  • 記事を書いた人
    野底 琢(営業本部ソリューション開発室室長)

    三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社で、業務・ITに関するコンサルティングサービスを経て、2021年にゼロボード社の立ち上げに参画。業務の傍らで横浜国立大学大学院環境情報学府に入学し、LCA環境評価手法を学習・研究。環境情報学を背景に、ゼロボード社では事業開発担当兼コンサルタントとして、経産省・環境省による”CFPガイドライン”の実証事業のマネジメント、DADC・ABtCと連携したOuranos Ecosystemのアプリ要件(CFP算定・連携)の開発事業のリーダーを担当。直近では、欧州電池規則におけるCFP・DD対応支援やCBAM対応に関するコンサルティングサービスを展開。CFPの算定経験は50商品以上に渡る(内、自動車・自動車部品関連は20商品)