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欧州電池規則のCFP細則の解釈について③~CFP細則に基づくサーキュレーションフットプリントフォーミュラ(CFF)とモデリング:効果的な算定方法と実務のヒント~

目次

株式会社ゼロボード 営業本部ソリューション開発室室長
野底 琢


2024年4月30日には、車載バッテリーのCFP算定・検証の方法論を提示する「the methodology for the calculation and verification of the carbon footprint of electric vehicle batteries」*1;(以下、「CFP細則(ドラフト版)」と仮称)が公開された。それを受けて、2024年5月23日に、弊社HPより欧州電池規則のCFP細則(ドラフト版)*1;に関する弊社解釈のコラムを公開し、以下のお題目について説明した。

欧州電池規則のCFP細則の解釈について①

  • CFPの機能単位
  • Mandatory Company Specific processとして規定された部品項目
  • サプライチェーン間でのデータ連携の在り方

続く、2024年7月5日には、第2回目となるCFP細則に関する弊社解釈のコラムを公開し、実務に踏み込んだ算定要件について説明した。

欧州電池規則のCFP細則の解釈について②~欧州電池規則に対応するためのCFP細則の完全ガイド:カットオフルールとDQR値設定~

  • 算定対象又はカットオフ対象となる項目
  • データセット(排出係数)の選定方法
  • DQRの設定方法

第3回目となる今回のコラムでは、算定要件の中でも解釈が難しい“モデリング”と、その中でも最難易度の”サーキュレーション・フットプリント・フォーミュラ(CFF)“について説明したい。



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以下はダウンロードしてご覧いただけるコラムの要約となります。

1.モデリングについて

CFP算定における”モデリング”の概念を説明する。その上で、同一ラインから複数品番を生産する場合のエネルギー消費量の配分(”Allocation”)から、再エネ電力の直接消費におけるCFPへの反映方法まで、CFP細則で紹介された算定方法を説明する。またCFP細則に記載はないものの、実算定上で”モデリング”の算定式の設計が必要となる場面についても紹介する。

2.廃棄・リサイクル工程におけるサーキュレーションフットプリントフォーミュラについて

廃棄・リサイクル工程におけるCFFについて説明する。”クレジット”や”市場配分”、”返却・回収”といった特異の概念について、弊社解釈を展開した上で、CFFの計算式の構造を説明する。

3. リサイクル材の使用におけるサーキュレーションフットプリントフォーミュラについて

リサイクル材使用におけるCFFについて説明する。廃棄・リサイクル工程におけるCFFの算定式とは異なり、クレジットや再資源材の品質が複雑に反映された算定式となっている。そのため、2通りの解釈方法を展開した上で、実算定業務を遂行する上での課題・落とし穴について説明する。

4. 終わりに

<参照元>

*1)出典元:CFP算定・検証の細則(草案):
https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/13877-Batteries-for-electric-vehicles-carbon-footprint-methodology_en

*2)出典元:CFP算定・検証の細則(草案)のAnnex:
https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/13877-Batteries-for-electric-vehicles-carbon-footprint-methodology_en

*3)出典元:Life Cycle Data Network(LCDN):https://eplca.jrc.ec.europa.eu/LCDN/

*4)出典元:Joint Research Centre(合同研究センター。以下JRC)によるRules for the calculation of the Carbon Footprint of Electric Vehicle Batteries (CFB-EV)のFinal draft:                        https://eplca.jrc.ec.europa.eu/permalink/battery/GRB-CBF_CarbonFootprintRules-EV_June_2023.pdf

*5)出典元:欧州委員会による勧告文書であるPEFガイドライン(通称)。正式名称はon the use of the Environmental Footprint methods to measure and communicate the life cycle environmental performance of products and organisations:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32021H2279

*6)出典元:ISO14067:2018 Greenhouse gases — Carbon footprint of products — Requirements and guidelines for quantification:https://www.iso.org/standard/71206.html

  • 記事を書いた人
    野底 琢(営業本部ソリューション開発室室長)

    三菱UFJリサーチ&コンサルティングで環境関連コンサルティング業務に従事。ゼロボードでは環境省や経済産業省のCFP実証など幅広い分野を担う。横浜国立大学大学院環境情報学人工環境専攻にてLCAも研究中。