CDPとは?基本から詳しく解説!
CDPとは
CDPは、2000年に英国で設立された非営利組織で、「人々と地球にとって、健全で豊かな経済を保つ」ことを目的としています。
投資家に代わり環境活動の実態に関する質問書を送り、回答を収集、スコア付けした結果を開示しています。CDPはESG情報開示の「E(環境)」に関するグローバルスタンダードであり、開示された情報は、主にESG投資を行う機関投資家やステークホルダーが企業の環境活動を比較・評価する際に使用されています。つまり、質問書の回答から高いCDPスコアを獲得できれば、ESG投資の対象に選ばれやすくなると言えます。*1
CDPの質問書とは
質問書に回答する企業は、金融機関や購買企業、銀行などからの回答要請によって決まります。また、要請のない場合は自主的に回答することも可能です。
これまで質問書は「気候変動」、「フォレスト」、「水セキュリティ」の3つに分かれていましたが、2024年から1つに集約されています。これにより、複数の環境問題を総合的に捉えることが可能となりました。
また、中小企業のリソースに合わせた質問書として、同年からSME質問書が導入されています。この質問書では、気候変動に焦点を当てることで、今後どこに着目すれば良いかが容易に理解できるようになっています。
CDPスコアとは
CDPは、企業からの回答を基にCDPスコアによって評価します。
上から順に評価が高いものとなっています。*2
〇A、A₋:リーダーシップレベル
環境問題の管理においてベストプラクティスを行っていることを示す。環境問題について自社の事業に沿った理解をしており、その認識や実行したアクションについて説明できる。
〇B、B₋:マネジメントレベル
環境リスクやその影響に対するアクションをとっていることを示す。環境リスクやその影響をトラッキングし、緩和したりなくしたりしようとしている。
〇C、C₋:認識レベル
事業で環境問題の影響を考慮していることを示す。開示による透明性を高めるところから進んで、環境問題に関する認識を深めている段階。
〇D、D₋:情報開示レベル
回答の完全性を示す。データの信頼性と品質の向上を推進。質問書に回答する準備ができているが、スチュワードシップに向けた努力は成熟していない。
〇F:無回答
CDPスコアを上げるメリット
CDPに回答するメリットは、大きく分けて3点あります。
1.信頼性の向上
高いCDPスコアは、企業が気候変動対策に真剣に取り組んでいることを示します。これにより、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資を重視する投資家からの信頼を得やすくなります。
2.企業ブランドのイメージ向上
高いCDPスコアは、企業が環境保護に積極的であることを示す指標となり、ブランド価値を高めます。これにより、環境意識の高い消費者や取引先からの評価が向上します。
3.常に最新のフレームワークによる判定が可能
国際的なイニシアチブやユーザーからのフィードバック、最新の環境科学等を反映し、毎年質問書の見直しを行っているため、回答作業を通じて新たな改善点を発見することができます。
CDPは、企業の環境パフォーマンスを評価するための国際的なプラットフォームとなっています。CDPに回答することで、投資家や顧客といったステークホルダーに対する企業の評価や信頼性を上げるだけでなく、企業自体の経営効率やリスク管理にも影響を与えることができます。
CDP回答支援がご希望の企業様はゼロボードにご相談ください。
<参照元>
*1:CDPからの情報提供
https://www.env.go.jp/earth/zeb/news/pdf/20220303_cdp.pdf
*2:CDP2022 スコアリング 各種注意点
https://cdn.cdp.net/cdp-production/comfy/cms/files/files/000/006/169/original/CDP_Webinar__5_Scoring.pdf