人間の経済活動や生活の基盤となる、自然界が提供する再生可能および再生不可能な天然資源の蓄積(ストック)。具体的には、森林、河川、土壌、鉱物、空気、水、大気、動植物などが含まれる。これらの自然資本は、食料や原材料の供給、気候の調節、水質浄化など、多様な生態系サービス(フロー)を通じて人類の福祉と経済活動を支えている。
経済学においては、生産の基盤となる資本として、人工資本と人的資本が注目されてきたが、近年は自然資本の重要性が注目されている。IIRC(International Integrated Reporting Council:国際統合報告評議会)の国際統合フレームワークでは6つの資本の一つとして自然資本を位置づけている。
自然資本の持続的な管理と保全の重要性の観点から、2023年9月、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が企業や金融機関が自然資本や生物多様性に関する情報を開示するための枠組みを公開した。