Battery Regulation, Regulation(EU)2023/1542
2023年7月に、欧州理事会によって採択された規則であり、バッテリーの製造、廃棄、リサイクルといったライフサイクルを対象としている。本規則は、電池の需要増加に伴い、原材料調達の持続可能性と廃棄物削減の実現を目指して導入された。電池のライフサイクル全体で環境への影響を最小化、持続可能な製品設計と資源の循環利用促進など、環境負荷の軽減と持続可能な経済の推進を目的としている。
規則の対象となるのは、ポータブル電池(重量5kg未満)、車載用電池(電気自動車用など)、産業用電池(再生可能エネルギー貯蔵用など)である。特に車載用バッテリー、LMT(軽量輸送機器用)バッテリー、産業用バッテリーは2025年から炭素フットプリント(CFP:製造から廃棄までのCO₂排出量)の開示が必要となり、対応が求められる。
主な規制内容は以下の4つ。
・環境負荷への基準
リサイクル率や有害物質(鉛、カドミウムなど)の使用制限。
・持続可能性の開示
電池の炭素フットプリントの明確化。
・設計基準
電池の長寿命化やリサイクルしやすい設計の義務付け。
・リサイクル目標の達成度
一定の資源回収率(リチウム、コバルト、ニッケルなど)を達成する。
また、電池メーカーや輸入業者には、情報公開や責任ある廃棄処理が義務付けられている。