International Energy Agency(国際エネルギー機関)
1974年の第1次石油危機を受け、当時の米国務長官キッシンジャーの提唱により、OECDの枠組み内で自律的な機関として設立された。加盟国は石油の備蓄を義務付けられ、供給の不安時には協力体制を取ることになっている。近年IEAによって報告されたWEO(世界エネルギー見通し)では、エネルギー市場や技術の主要動向を分析し、中長期的なエネルギー投資と開発の方向性を3つのシナリオに基づいて示している。これらのシナリオは定期的に更新され、現在は次のものが使用されている。
・公表政策シナリオ(STEPS: Stated Policy Scenario):各国が既に公表・実施した政策に基づくシナリオ
・公約シナリオ(APS: Announced Pledges Scenario):各国が設定した意欲的な目標の達成を前提としたシナリオ
・2050ネットゼロシナリオ(NZE: Net Zero Emissions by 2050 Scenario):2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにするために必要な道筋
また、IEAは有料版で詳細なデータや分析を提供しており、エネルギー市場における原単位(例えば、エネルギー消費や温室効果ガス排出量の単位あたりの数値)に関する情報も含まれています。これにより、加盟国や企業はエネルギー政策や投資戦略をより効果的に計画できるようになる。