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ヨネックス株式会社

導入後に機能アップデートの多さを実感。「zeroboard」を活用しサプライチェーン全体のカーボンニュートラルに挑戦するヨネックスの取組とは

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ご担当者

環境対策推進室 室長 兼 
サステナビリティ委員会・環境ワーキンググループ・リーダー

千葉 慎一郎 様


環境対策推進室 主任 兼 
サステナビリティ委員会・環境ワーキンググループ・エネルギーサブグループ・サブリーダー

高谷 陽介 様


製造業におけるGHG排出量算定は、現状では環境省などが産業連関表から作成・公開している「二次データ」(排出係数の業界平均値)の活用が主流となっていますが、サプライチェーンのカーボンニュートラルを進めるためには、企業のGHG排出量削減の取り組み効果を反映できる「一次データ」(企業の固有値)の活用が注目されています。一方で、「一次データ」を取得するには、自社の他部門と連携し、さらに国内外の仕入れ先とコミュニケーションとりながら進める必要があるため、多くの課題があります。
そこで今回はスポーツ用品の製造および販売などを行っているヨネックス株式会社に伺い、サステナビリティ委員会のメンバーである千葉様と高谷様に「zeroboard」導入の決め手や効果、サプライヤーを巻き込んだ算定の取り組みについてお聞きしました。


  • 課題・ 導入背景
    • 全事業所から統一されていないフォーマットでCO2排出量のExcelデータがくるため、それらの集計に時間を要していた
    • カーボンニュートラルに関する知見が少なかった
    • Scope 3まで算定する道筋が描けていなかった
  • ゼロボードに 決めた理由
    • 機能と操作性の良さ
    • ゼロボードの算定支援
    • 費用面の納得感
    • パートナーも含めた削減支援の体制
  • 導入効果・今後 期待される効果
    • 各事業所の数値を集計するスピードが上がった 
    • 頻繁な機能アップデートにより、CO2排出量だけではなく水やエネルギーの使用量、廃棄物や有害物質の管理もできるようになった 
    • サプライヤーを巻き込んだ算定や工場のゼロエミッションへの道筋が見えてきた

全社のCO2排出量削減目標を掲げるため、現状把握をすべく「zeroboard」を導入

――所属している部署のミッションと役割を教えてください。

千葉様:環境対策推進室に所属しています。それとは別に全社横断プロジェクトとして環境対策案件の活動をする環境ワーキンググループのリーダーを務めています。

高谷様:環境ワーキンググループの中でも特にエネルギー関係を担当しているエネルギーサブグループのサブリーダーを務めています。

千葉様:全社の環境対策案件を進めていくにあたって必要な新規開発や情報収集など、基盤の技術の調査や構築に取り組むのが環境対策推進室です。例えばCO2排出量をどうすれば数値化できるのかなど、過去の知見のないことを扱っています。
「zeroboard」の話で説明すると、情報収集など導入に至るまでの部分は環境対策推進室が主導で行います。そして実際に「zeroboard」を活用して数値化し、CO2排出量を減らすための活動はサステナビリティ委員会のワーキンググループで行っています。

――「zeroboard」導入の背景を教えてください。どのような課題があったのでしょうか。

千葉様:2020年から2021年にかけて、CO2排出量の削減目標を国内の多くの企業が宣言し始め、当然ヨネックスとしても目標を打ち出す必要が出てきました。当時は現状からの積み上げ方式で目標数字を決める考え方が主流でした。そこで私たちはCO2排出量を何%減らすことが現実的かを探るところから始めました。
電気や燃料をどれだけ使っているのか、まず全事業所の数字を集計して、そこから目標値を決めていくことになりました。全事業所から来るExcelの書式がバラバラでしたので、目をショボショボさせながら自分でまとめていました。

――何拠点のデータをまとめたのでしょうか。

千葉様:当時は国内だけで10拠点以上あり、大変な苦労をしながら各拠点の現状データをまとめました。そしてCO2排出実質ゼロの電力契約に切り替えた場合のCO2排出量の数字をはじき出した頃に研究開発案件で協業している長瀬産業株式会社※から「zeroboard」を紹介いただきました。その中でヨネックスが今後どのようにサステナビリティを推進していくべきかアドバイスをいただいていました。当時はまだベータ版で発展途上でしたが、サプライヤーを巻き込んでいくというゼロボードの世界観に共感したのを覚えています。
実際に触ってみて、今までのデータを「zeroboard」で見える化したいとすぐに思いました。このツールは今後、CO2 排出量削減に必須であると確信し、社内報告の上で導入につなげました。入力したデータがポンと簡単にダッシュボードでキレイに出てくることが魅力でしたね。
つなげたと言いましたが、導入までは1年ほどかかっています。データを入力する実務担当にも試してもらうなど、少しずつ社内の理解を得たためです。丁寧に準備を進めたので、本契約しての運用はスムーズでした。
※長瀬産業株式会社はゼロボードが提携するソリューションパートナーです。詳細はこちら

ツールの機能・操作性と算定支援を評価し導入

――導入時はScope 1とScope 2のみを算定する方針だったのでしょうか。

千葉様:そうです。Scope 3はまだまだハードルが高かったので、すぐには手を出せませんでした。Scope 3の算定を検討できるようになったのは「zeroboard」を導入してからです。Excelを使用していた頃は検討自体が論外で、何から手をつければいいのか分かりませんでした。

高谷様:算定支援が契約の中にあったので、ゼロボードにサポートしていただきました。まだ知見が少ない中で手探りでしたので心強かったことを覚えています。

――他社とも比較されたと聞いています。その上で「zeroboard」を選んだ理由や決め手を教えてください。

高谷様:当時はまだCO2排出量を算定するプラットフォームが少なかったですね。他社の担当者と会議を行い、機能やサービスを確認しました。一つは算定支援がなかったので見送りました。私たちにはまだ知見が少ないので、それでは難しいだろうと。もう一つは海外の会社のもので、機能も海外仕様でした。ユーザビリティが低く、扱いにくさを感じましたし、価格も高かったです。
一方「zeroboard」は機能良し、使いやすさ良し、そして価格面でも納得感がありました。特に決め手となったのは算定支援と操作性の良さですね。導入に関する社内稟議の際、他社の情報も集めましたが決裁者へゼロボードの優位性を説明しやすかったです。

かゆいところに手が届く頻繁な機能アップデートで、CO2排出量以外の様々な環境指標の管理が可能に

――実際に使ってみて、どのような感想をお持ちでしょうか。

高谷様:当初からも使い勝手は良かったのですが、アップデートの頻度がすごく多いですよね。新機能がどんどん増えていくのと、基本機能も使い勝手が良くなっている印象があります。どんどんかゆい所に手が届くようになっていて、ありがたいです。また要望をゼロボードの担当者に伝えられるので、今後の機能アップにも期待しています。
私は入力の取りまとめをしているので、社内の各担当者と話す機会が多いです。カテゴリごとに担当者を決めていて、それぞれが「zeroboard」を立ち上げて入力します。全体に向けて簡単な説明をするだけで入力の仕方を掴んでもらえるくらい簡単なので、私の負担は少ないです。

――アップデートで良くなった機能を教えてください。

高谷様:CO2排出量だけではなく、水やエネルギーの使用量、廃棄物や有害物質も「zeroboard」で管理できるようになったことですね。今後、環境指標の管理は全部「zeroboard」でしていきたいと考えています。
目標設定の機能も追加されたので、策定が終わりましたら実際に使ってみたいと考えています。ほしい機能が気づいたらアップデートされています。

千葉様:CO2以外の部分への対応も迫られています。工場のゼロエミッション化です。その管理に必要な項目も「zeroboard」にあるので、ますます良いと思っています。

サプライチェーンのカーボンニュートラルを先導

――ゼロボードの支援についてはどのように感じていますか。

高谷様:Scope 3の算定に向けた取り組みにおいて全社で一通りの入力をしたところ、Scope 3のカテゴリ1(購入した製品・サービス)が圧倒的に多いことがわかりました。私たちだけではそこで止まってしまったと思いますが、ゼロボードの算定支援や導入前からアドバイスをいただいている長瀬産業株式会社のサポートがあったので優先的に削減すべきホットスポットを明確化するという次のステップが見えてきました。

シューズやウェアに関わるCO2排出量の割合が多いことが明確化され、この部分はサプライヤーとの関りが大事になってくることがわかりました。

千葉様:自社工場の材料や使用電力は明確なので正確に排出量を出せますが、海外の協力企業、サプライヤーについては見えにくい部分もあります。仕入先も複数あるので複雑です。全サプライヤーに一度に働きかけても、現時点では理解して協力していただける会社、そうでない会社があります。こういったこともゼロボードに相談し、まずは、CO2排出量が多くて協力的な1社とモデルケースを作った上で広げていこうという道筋がつけられました。シューズやウェア関連は複数の仕入先がありますが、その中から1社ずつ決めて、実際に協議を始めています。

カーボンニュートラルへの取り組みをこれから始める仕入先も多いです。まずは大事なことであるという意識づけや、今やるべきことであるという必要性を理解してもらうところから始めています。私たちが何も知らないところから始めた経験を活かして、彼らに第一歩を踏み出すための話をしています。ステップを踏みながら「zeroboard」導入の話まで進めて、みんなで推進していきたいというビジョンを描いています。

――サプライヤーへの啓発から始めて、ロードマップを示す。そして「zeroboard」を使えば楽に排出量を算定できるようになる。サプライチェーンでCO2を可視化・削減していく取り組みは先進的です。ヨネックス様の取り組みは他社のモデルになると感じます。

千葉様:そういっていただけるとうれしいですね。

――データを集めて算定することが最初は大変だったというお話を聞いています。「zeroboard」の導入によって工数はどれほど削減できましたか。

千葉様:工数がどれだけ減ったのかを表現することはなかなか難しいですが、担当者がそれぞれ同時に作業できるのでスピードは上がりました。Excel時代はファイルが集まってきて、それをまとめる作業が必要でした。

高谷様:排出係数を取りに行く工程が減る効果は大きいですね。例えば電力会社のウェブサイトを確認し、契約プランを探す必要がなくなります。「zeroboard」を使えば、ツール上で検索して入力までできます。

――ありがとうございます。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

千葉様:2030年度に全社のスコープ1・2におけるCO2排出量を2016年度比で50%削減することを目標に掲げています。スコープ3の算定に関しては「zeroboard」でサプライヤーとのデータ連携ができることを当初から聞いていたので、早くそこまで進めたいと思います。先ほどのモデルケースの話につながりますが、1社でも連携ができれば、他のサプライヤーにも波及していくはずです。サプライヤーに働きかけながら、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルに向けた取り組みを着実に進めていきたいと考えています。


関係者のコメント


長瀬産業株式会社
サステナビリティ推進本部 

サステナビリティ推進室

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増井 祐介
長瀬産業として、「zeroboard」の採用をきっかけに、ヨネックス様との様々なGHG排出量削減の取り組みが加速しております。長瀬グループのネットワーク、機能を総動員して、ヨネックス様にサステナビリティ推進に貢献して参ります。