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株式会社山梨中央銀行

信頼性と費用対効果が導入の決め手。地域の脱炭素化と企業価値向上を目指すリーディングバンクの思い

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ご担当者

総務部総務課課長

一之宮 久彰 様


同課長代理

戸島 秀和 様


環境省がカーボンニュートラルの実現を目指して取り組みを進める地域を「脱炭素先行地域」として選定し、予算を優先的に配分するなど地域の脱炭素化が注目を集めています。そこで今回は、県土の約8割を森林が占めている自然豊かな山梨県のリーディングバンクとして脱炭素化に取り組んでいる山梨中央銀行様に伺いました。
「山梨から豊かな未来をきりひらく」をパーパスとして掲げている同行の脱炭素化の旗振り役である総務部総務課課長・一之宮久彰様と同課長代理・戸島秀和様に「zeroboard」導入の決め手や運用状況、そして今後の展望についてお話をうかがいました。


  • 課題・導入背景
    • 地域のリーディングカンパニーとして率先して脱炭素化を進めていくために、まずは自分たちのCO₂排出量の見える化をすること
  • ゼロボードに決めた理由
    • 業界のパイオニアである「zeroboard」への信頼と、多拠点に導入することを踏まえた費用対効果
  • 導入効果・今後
    • 期待される効果 CO₂排出量の算定にかかる作業時間は今までの半分以下に短縮できたと実感

子どもたちにミヤマクワガタのいる自然を残したい

――「zeroboard」を2022年11月に導入いただきました。導入の背景について教えてください。

一之宮氏:脱炭素化を進めるにあたって、最初にCO₂排出量の見える化が必要だと考えました。そこでまずは山梨中央銀行のCO₂排出量を見える化するために「zeroboard」を取り入れて性能を検証し、次の段階として私たちが地域のお客様にコンサルティングをしていきたいと考えました。そうすれば地域の脱炭素化が早く進むのではないかとの思いで導入を検討し始めました。

――そもそも環境問題に取り組むきっかけは何だったのでしょうか?

一之宮氏:子どもとカブトムシを捕りに行ったときに、比較的気温が低い場所に生息するミヤマクワガタが全く捕れなくなったと感じたことです。私も小さい頃からカブトムシを捕りにいったり、山や川で遊んだり、当たり前のように山梨県の自然の豊かさを楽しんでいました。しかし、はげ山が増えるなど少しずつ環境が変化していることを感じました。昔からある自然環境を子どもたちの代にも残したいという気持ちがあります。

そうはいっても山梨県にはまだ自然が多くあり、洪水などの災害も比較的少ない地域です。そのため、環境問題に対して危機感を持ちにくい場合もあると思っています。そこで、豊かな山梨県の自然を守るためにも、山梨中央銀行が地域の旗振り役になって積極的にアナウンスしていく必要があると考えています。

決め手は銀行が求めるレベルの信頼感と92拠点に導入するための費用対効果

――「zeroboard」を選んだ決め手を教えてください。

一之宮氏:圧倒的な信頼感と費用対効果です。CO₂排出量の見える化だけに着目すると他のツールでもいいのかもしれません。しかし、「zeroboard」はISOに基づいた第三者保証を受けていたり、パイオニアとしての知見を持っていると感じています。

銀行にはさまざまなステークホルダーがいらっしゃいます。私たちは地域の皆様からの信頼で成り立っているので、間違えた数字を出すわけにはいきません。そのため信頼できるシステムである「zeroboard」を導入しました。また、地域のお客様に対し私たちが脱炭素化をコンサルティングしていきたいと思っているので、ゼロボードがツールの提供に特化しているところが目的と合致しました。費用対効果も魅力的でした。私たちは92拠点に導入する必要があったので、積み重ねていくと基本料金だけでも高額になってしまいます。その点については柔軟に対応いただき感謝しています。

――ツールとしての使い勝手はいかがでしょうか?

一之宮氏:導入前はExcelに担当者がデータを入力して計算をしていました。Excelだと数字の入れ間違えや人為的なミスでファイルを壊してしまうといった懸念があり、細心の注意が必要な上、確認作業に多くの人手がかかっていました。しかし「zeroboard」はクラウドなので、そういったリスクを回避できる安心感があります。

円グラフで示されるCO₂排出量が非常に見やすく、すぐに気に入りました。拠点ごとのCO₂排出量が棒グラフで見える化されることによって、どこから対策を立てればいいかが瞬時に分かるようになっているのも使いやすいと感じました。もちろん最初はわからないこともありましたが、サポートもいただけますし難しい操作はないので、やっていくうちにすぐに覚えられました。

報告書の作成時間が半分以下に

――「zeroboard」の導入でどのような変化がありましたか?

一之宮氏:諸官庁宛てに毎年夏に提出している定期報告書の作成過程が大きく変わってくると想定しています。まだ2年分しかデータを入力できていませんが効率化できると考えています。

戸島氏:拠点が多いことと、使用したエネルギーを種別毎に入力することに時間がかかっていました。しかし、ゼロボードの担当者にサポートいただき、Excelから一括でデータを移せるようになってからはスムーズになりました。特に導入当初は毎日のようにサポートいただきましたが、丁寧に教えていただき、助かりました。

時間がかかるのは最初だけで、操作に慣れてしまえば問題ありません。Excelでデータを管理していた当時は、例えば排出係数をどこから持ってくるのかといったことを自分たちで考えながらやっていたので時間がかかりましたが、「zeroboard」の導入で基準が統一されたことで報告書作成の作業効率が上がることを期待しています。

――具体的にはどのぐらいの時間を削減できそうですか?

戸島氏: 「zeroboard」導入に向けて行内承認を得るために試算したところ、諸官庁に提出する年に1回の定期報告書を作成する時間は、実感としては半分以下に減らせそうです。拠点の数だけあった検証作業を減らすことができるので作業効率が大幅にアップできそうです。

今までは毎月、電気やガス、重油などの項目を入力し、別の者が入力した数値が正しいかを検証していました。そして年間の数字を合算し、それを再度検証する作業が発生します。今回、「zeroboard」を入れたことで月々の入力さえ正確にしておけば、クラウドにある排出係数をそのまま利用できるので検証作業を省くことができます。

目指すは民間企業と自治体を巻き込んだ地域の脱炭素化

――環境対策の今後の展望についてお聞かせください。

一之宮氏:当行は現時点では2030年までにCO₂排出量を2013年度比マイナス60%にするとの目標を定めています。それを達成するために様々なCO₂排出量の削減策を考えて行きます。おこがましいですが、その取り組みが地域の皆さまのヒントとなることにつながればという思いを持っています。

今後、「zeroboard」を使っていることを紹介していくことが地域の脱炭素化のスタートになると思っています。地域の民間企業だけではなく、自治体も巻き込んでいくために、引き続きゼロボードの皆様の知見や力をお借りしたいです。

戸島氏:当行の経営理念は「地域密着と健全経営」です。地域のためになることを視野に入れながら、一担当者としてまずは当行の脱炭素への取り組みを盛り上げていきたいです。それが山梨県のお客様の脱炭素施策の広がりに繋がると考えているのでしっかりと取り組んでいきたいです。

TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)にも賛同もしたので、多くの情報の開示を求められています。また、今後はScope 3の排出量についても検討していかないといけません。

一之宮氏:「今までのCO₂排出量の算定は定期報告書を提出するためだけに取り組んでいました。しかしこれからの時代では企業価値向上のための一助になります。そのために『zeroboard』を利用したい」。これは「zeroboard」導入のために会議で私が伝えた言葉です。CO₂排出量をいち早くネットゼロにし、その知見を地域に還元していく。そのことが企業価値を高めることに繋がるという思いで進めています。