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2024.09.30

PRESS RELEASE

【中国銀行への導入が決定】ゼロボード、金融機関向けの投融資先のGHG排出量算定高度化ソリューション「Zeroboard for The PCAF Standard」の提供を開始

〜 地域ぐるみの脱炭素化促進と、データクオリティスコアの向上が可能に 〜

企業のサステナビリティ経営支援をする株式会社ゼロボード(東京都港区、代表取締役:渡慶次道隆、以下 当社)は、金融機関向けに、国際的な排出算定基準であるPCAFスタンダード(※1)に準拠して投融資先のGHG(温室効果ガス)排出量の算定を高度化するソリューション「Zeroboard for The PCAF Standard(ゼロボード フォー ザ ピーキャフ スタンダード)」の提供を開始し、併せて、株式会社中国銀行(岡山市北区、頭取:加藤貞則、以下 中国銀行)へ本ソリューションの導入が決定したことをお知らせします。

開発背景

2050年カーボンニュートラルの実現を目指して各業界で対策が進む中、金融機関においては投融資先企業のGHG排出量(Scope 3 Category 15:Financed Emissions/ファイナンスドエミッション)が金融機関の財務健全性にも影響し得ることから、その算定と管理が重要とされています。

国際的なパートナーシップであるPCAF(※1)は、Financed Emissionsの算定方法であるPCAFスタンダードを公表しており、TCFD開示(※2)においてもPCAFスタンダードの活用が推奨されています。金融機関として排出量削減を目指すということは、同時に投融資先の排出量削減を目指すことにも繋がります。より精緻な情報に基づき投融資先の排出量削減を共に取り組むためには、投融資先企業とのエンゲージメントを重ね、投融資先のGHG排出量の算定およびそのデータクオリティスコア(参考資料)の向上を目指していく必要があります。

このような背景から、金融機関の算定課題に対応するため、長年金融機関へシステム提供をしてきた知見を持つ日鉄ソリューションズ株式会社と、2023年12月から「Zeroboard for The PCAF Standard」の共同開発を進め、このたび提供を開始することとなりました。

「Zeroboard for The PCAF Standard」の提供価値

  1. 投融資先に対する脱炭素経営支援の推進と地域ぐるみの脱炭素化の促進
    金融機関がGHG排出量算定ツールとして「Zeroboard」のライセンスを投融資先に配布できるプランも用意しています。投融資先の企業は、配布用ライセンスの「Zeroboard」から、金融機関が利用する「Zeroboard for The PCAF Standard」に自社のGHG排出量データを自動連携することが可能です。
    この仕組みを活用することで、投融資先の算定・開示を推進しながらエンゲージメントの向上が期待できます。加えて、金融機関は地域企業に対する脱炭素経営支援が推進でき、各種脱炭素ソリューション提供機会の創出、自治体との協働による地域ぐるみの脱炭素化の促進など、金融機関としての企業価値向上を図りながら、地域脱炭素を主導する役割も果たしていくことも可能です。
    金融機関にとって、投融資先にサステナビリティの取り組みを促すことは、事業を持続的に発展させていくことにつながります。
  2. Financed Emissions算定におけるデータクオリティスコアの向上
    金融機関は「Zeroboard for The PCAF Standard」を利用の際に、投融資先の企業情報を登録するだけで、データクオリティスコア(参考資料)における推計排出量が自動で算定されます。これにより、属人的なエクセル管理・数式作成から脱却し、工数の削減と正確性の向上が期待できます。
    また、投融資先が開示・報告した排出量データを収集し提供するオプションも用意しております。金融機関はデータ収集の工数を削減しながら、より高いデータクオリティスコアでの算定が可能になります。
    今後、金融機関のScope 3まで含むGHG排出量は、いずれ第三者検証が求められる方向であり、その際に投融資先のGHG排出量の正確性が重要になってきます。金融機関および検証機関は、ライセンス配布先企業の許可を得た上で投融資先アカウントにアクセスし、データの正確性をチェックすることが可能です。これから第三者検証の細則が定まっていく中で、本機能は、同検証の実務にも対応できるものと考えております。

導入を決定した中国銀行のコメント

中国銀行 コンプライアンス・リスク統括部 松浦 康浩様

2024年8月1日から取引先に展開しているゼロボードシステムを活用した「ちゅうぎんGXボード」と今回導入した「Zeroboard for The PCAF Standard」との連携を進めることで、取引先とのエンゲージメントを推進しながら、銀行のFinanced Emissions算定の工数削減・精緻化・データクオリティ向上を図ることができます。また、その先のカーボンニュートラル実現に向けた移行戦略検討にも活かして、地域経済の持続的な発展に寄与出来ればと考えています。

(※1)PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financialsの略)は国際的な金融機関のパートナーシップで、投融資に係るScope 3の排出の計測・評価に向けた⽅法論やデータセットの整備を⾏っている。PCAFスタンダードとは、PCAFが作成した金融業界のためのグローバル温室効果ガス計測・報告スタンダード。PCAFスタンダードは、金融機関が投融資先のScope 3の排出量の計測・報告をする際に活用する。
(※2)TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が企業等に対して、自社のビジネス活動に影響を及ぼす気候変動の「リスク」と「機会」について把握し開示することを推奨している。

参考プレスリリース
「Zeroboard」のホワイトラベル製品『ちゅうぎんGXボード』を中国銀行が法人顧客向けに提供開始(2024年8月1日発表)
ゼロボードと日鉄ソリューションズ、金融機関向け投融資先GHG算定サービスの共同開発を開始(2023年12月13日発表)

会社概要

社名:株式会社ゼロボード|Zeroboard Inc.(https://zeroboard.jp
所在地:東京都港区三田三丁目5-27 住友不動産東京三田サウスタワー10階
代表者:代表取締役 渡慶次道隆
設立:2021年8月24日
事業内容:GHG(温室効果ガス)排出量算定・可視化ソリューション「Zeroboard」の開発・提供/サステナビリティ経営に関するコンサルティング/ユーザーコミュニティ「All Aboard!」の運営/ESG情報一元化ソリューション「Zeroboard Sustainability Platform」の開発・提供

Zeroboardとは

「Zeroboard」は、GHG(温室効果ガス)排出量算定・開示・削減までを支援するソリューションです。国内外のサプライチェーン排出量、製品別・サービス別の排出量(カーボンフットプリント:CFP)をクラウドで算定・可視化するほか、削減貢献量や水資源などの登録も可能で、各種レポートの出力にも対応。算定を入り口として、ユーザー企業の課題に合わせたGHG削減ソリューションを提供することで、企業の脱炭素経営を支援しています。

「Zeroboard」をベースに業界特有の機能を備えたプロダクトとして、建設業界向け「Zeroboard construction」、物流業界向け「Zeroboard logistics」を開発し、提供を始めています。また、欧州電池規則対応向けソリューション「Zeroboard for batteries」も展開中です。

※Zeroboard、zeroboard construction、zeroboard logistics、All Aboard!は、株式会社ゼロボードの登録商標です。

【企業向けウェビナー開催中】
当社では、脱炭素経営のための企業向けウェビナーを毎月開催しています。国内外の脱炭素の最新動向や、「Zeroboard」の活用方法などを解説しておりますので、ぜひお申し込みください。詳しくは当社ウェブサイトのイベントページをご覧ください。

本件に関するお問合せ先

Zeroboardの導入について(営業本部)sales@zeroboard.jp
報道やご取材について(広報)pr@zeroboard.jp

参考資料

Financed Emissions算定におけるデータクオリティスコア

データクオリティスコア排出量の推計手法条件等
スコア1企業による報告1a企業の認証済み排出量データが利用可能
スコア21b企業の未認証の排出量データが利用可能
事業活動による排出量2a企業のエネルギー利用に係る一次的事業活動データと利用エネルギーに係る排出係数より推計。関連プロセス排出も加算
スコア32b企業の生産活動に係る一次的事業活動データと対応する排出係数より推計
スコア4経済活動による排出量3a企業の売上高とセクターの売上高当たりの排出係数より推計
スコア53b企業への投資残高とセクターの資産単位当たりの排出係数より推計
3c企業への投資残高、セクターの売上高当たりの排出係数、セクターの資産回転率より推計
PCAF「グローバル温室効果ガス計測・報告スタンダード」を参考にゼロボードで作成