欧州電池規則とは
(EU)2023/1542 REGULATION on batteries and waste batteries
2023年7月に欧州理事会で採択された、バッテリー製品の原材料調達から設計・生産プロセス、再利用、リサイクルに至るライフサイクル全体を規定するバッテリーに関する規則です。
製品のライフサイクル全体を対象とし、製造〜廃棄時(使用時は除く)の温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)の表示義務や、資源採掘・精錬工程における責任ある材料調達(デュー・ディリジェンス(DD))、またリサイクルに関する規制等も含まれ、蓄電池サプライチェーンの企業にとっては製造からリサイクルまでのプロセスで本電池規則に対応する必要性が生じます。電動車の車載用バッテリーからCFPの開示が必要(2025年2月18日〜)となり*1、対象はBEVだけでなく、HEV・PHEV・FCEVも対象となります。
*1 :その後産業用バッテリー、携帯型などEU域内で販売される全てのバッテリーが対象となる
欧州電池規則の主な内容
CFP | リサイクル | デジタル化 | その他 |
---|---|---|---|
CFPの開示 製品環境フットプリントカテゴリールール(PEFCR)に準拠し、各ライフサイクル(原材料、製造、流通、使用後)において算出*2 性能クラス区分の設定 ライフサイクル全体でのCO2排出量の大小の識別を容易にするための性能分類(performance class)の表示*2 CFPの最大閾値 CFPの最大閾値を下回ることを示すものとする*2 |
リサイクル材料の使用 リサイクル材料利用率の記載 コバルト、鉛、リチウム、ニッケル等におけるリサイクル材料の使用率を記載する 各材料における最低使用率目標が設定される (a).Li:6%、Ni:6%、Co:16%、Pb:85% (b).Li:12%、Ni:15%、Co:26%、Pb:85% |
バッテリーパスポートの登録 上市あるいは、使用されるバッテリーに関して、電子記録(バッテリーパスポート)があるものとする 製造場所、製造日、重量・容量、寿命等を記載 各バッテリーにQRを付記する |
サプライチェーンのデュー・ディリジェンス(人権・環境等) バッテリー性能・耐久性 等 材料回収率の設定 等 |
CFP |
CFPの開示 製品環境フットプリントカテゴリールール(PEFCR)に準拠し、各ライフサイクル(原材料、製造、流通、使用後)において算出*1 性能クラス区分の設定 ライフサイクル全体でのCO2排出量の大小の識別を容易にするための性能分類(performance class)の表示*2 CFPの最大閾値 CFPの最大閾値を下回ることを示すものとする*2 |
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リサイクル |
リサイクル材料の使用 リサイクル材料利用率の記載 コバルト、鉛、リチウム、ニッケル等におけるリサイクル材料の使用率を記載する 各材料における最低使用率目標が設定される (a).Li:6%、Ni:6%、Co:16%、Pb:85% (b).Li:12%、Ni:15%、Co:26%、Pb:85% |
デジタル化 |
バッテリーパスポートの登録 上市あるいは、使用されるバッテリーに関して、電子記録(バッテリーパスポート)があるものとする 製造場所、製造日、重量・容量、寿命等を記載 各バッテリーにQRを付記する |
その他 |
サプライチェーンのデュー・ディリジェンス(人権・環境等) バッテリー性能・耐久性 等 材料回収率の設定 等 |
*2:詳細は今後委任法により規定される見通し
スケジュール(電気自動車用バッテリー)
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出所:欧州電池規則を基にゼロボード作成
「Zeroboard for batteries」なら
欧州電池規則への対応が可能です
CFP
CFP算定機能(活動量データ登録、排出係数登録、ライフサイクルフロー図作成、BoM連携、各種データ・帳票登録 など)、Ouranos Ecosystemとのデータ連携
リサイクル
原材料項目ごとのリサイクル率を登録・管理する機能
デジタル化
第三者認証機関による検証、バッテリーパスポート発行に必要な報告情報整理まで一気通貫で実現
その他
人権・環境DD管理
シームレスなデータ連携
自社製品に使用される部品のCFPを算定した後、Ouranos Ecosystem(ウラノス・エコシステム)の公益デジタルプラットフォームとの接続によりCFPや人権・環境DDデータ等をサプライチェーンで連携することができます。
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高度な専門性
ゼロボードは、CFP算定やデータ連携について、経済産業省・環境省がまとめた「カーボンフットプリントガイドライン」策定に向けた自動車・化学品のサプライチェーン連携によるCFP算定実証や、WBCSD*3主催のPACT*4によるグローバルサプライチェーンでのCFPデータ連携の社会実装を実施する等、高度な専門性を有しています。
また、自動車やLCA、蓄電池に専門性をもつメンバーも複数在籍しており、ソフトウェアだけでなく、専門的知見に基づく欧州電池規則対応支援が可能です。
*3:World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議
*4:The Partnership for Carbon Transparency:炭素の透明性のためのパートナーシップ https://www.carbon-transparency.com
代表メンバーの紹介
小野 泰司 (プロジェクトマネージャー)
トヨタ自動車にて新型車企画・モビリティサービス企画等経験し、豊田前社長のトップサポート渉外チームに着任。社外折衝と共に、全社でのBEV計画立案等にも幅広く携わる。ゼロボードでは自動車、物流、小売等の脱炭素ソリューション開発や、各種事業戦略、海外展開等を所管。
深井 晶央 (脱炭素支援エキスパート)
いすゞ自動車のサステナビリティ推進チームではシニアエキスパートとしてGHGの算定、LCA実務、自工会の渉外を担当。ゼロボードでは製造業などのGHG、LCA算定の実務を支援。LCA学会総務委員。
磯部 眞弓 (脱炭素支援エキスパート)
日産自動車において、自動車関連のLCA算定を20年超担当、2008年頃よりリチウムイオン電池のLCA算定しはじめ、製造時だけでなく、使用時、廃棄時、リユースにおける活用、リサイクルプロセスなど、LCAを通して蓄電池の環境影響を試算した経験を持つ。
陳 怡靜 (脱炭素支援エキスパート)
東北大学、国立研究開発法人などで研究員としてLCAによる環境負荷・経済的影響の定量的評価に従事。また東北大学では国内外の研究機関との交流や企業連携を運営、多数の専門家NWを保有。
小野 泰司 (プロジェクトマネージャー)
トヨタ自動車にて新型車企画・モビリティサービス企画等経験し、豊田前社長のトップサポート渉外チームに着任。社外折衝と共に、全社でのBEV計画立案等にも幅広く携わる。ゼロボードでは自動車、物流、小売等の脱炭素ソリューション開発や、各種事業戦略、海外展開等を所管。
深井 晶央 (脱炭素支援エキスパート)
いすゞ自動車のサステナビリティ推進チームではシニアエキスパートとしてGHGの算定、LCA実務、自工会の渉外を担当。ゼロボードでは製造業などのGHG、LCA算定の実務を支援。LCA学会総務委員。
磯部 眞弓 (脱炭素支援エキスパート)
日産自動車において、自動車関連のLCA算定を20年超担当、2008年頃よりリチウムイオン電池のLCA算定しはじめ、製造時だけでなく、使用時、廃棄時、リユースにおける活用、リサイクルプロセスなど、LCAを通して蓄電池の環境影響を試算した経験を持つ。
陳 怡靜 (脱炭素支援エキスパート)
東北大学、国立研究開発法人などで研究員としてLCAによる環境負荷・経済的影響の定量的評価に従事。また東北大学では国内外の研究機関との交流や企業連携を運営、多数の専門家NWを保有。
包括的なサプライチェーン対応
「Zeroboard」は、製品版の販売開始から1年半で2,600社を超える企業に導入され、100社を超えるアライアンスパートナーを獲得しており、蓄電池サプライチェーンに関わる川上から川下の企業様まで、欧州電池規則対応とGHG削減等の広範囲なご支援が可能です。
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*5:欧州電池規則においては「使用」段階はCFP算定の対象外
GHG削減までを一貫してサポート
2028年にはCFPの最大閾値を下回る必要があり、CFPの算定のみならず削減することが必要となってきます。*6
ゼロボードはパートナー企業とともに、個社およびサプライチェーン全体での削減取り組みもご支援できます。
*6:予定通り2026年8月18日に閾値に関する委任法が発行されたと仮定した場合
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よくあるご質問
Q
「Zeroboard for batteries」は欧州電池規則への全ての対応に適応してるか?自社開発が必要な部分はあるか?
A
はい。CFPの算定から、人権・環境DDデータ登録・連携や第三者検証に向けたサポートについてもご提供可能で、本サービスで完結することができます。
自社システムとの連携を希望される場合は、ご相談ください。
Q
「Zeroboard for batteries」は、CFPの算定だけでなく、今後求められる人権・環境DDや、リサイクル材料使用管理等にも対応しているのか?
A
はい。CFP算定機能はすでにサービスインしており多くのお客様にご利用いただいております。
人権・環境DD機能は23年内から24年年初の間にローンチを予定しており、リサイクル材料使用管理等の項目はその後の対応を予定しております。
Q
利用料金について知りたい
A
詳細条件をお伺いしお見積りをご提示させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
Q
申請方法や不明点がある場合のサポートについて知りたい
A
専門的知見を有する弊社スタッフによるサポートがございます。必要に応じてパートナー企業経由でのご支援も可能です。
Q
一度システムを見てみたい
A
デモンストレーション等を実施させていただきますので、お気軽にお問合せください。